The Astrological Society of Japan

日本占星術
カンファレンス
日本占 星術協会主催 第4回
〈2025年テーマ〉
豊穣なる占星術
Richness of Astrology
【開催日時】
2025年6月28日(土)11:45~
【開催形式】
Zoomオンライン
ご挨拶
学ぶという行為は不思議なもので、学ぶとわからない部分がでてきたり、
疑問が生じます。
さらに学ぶと解決する部分もありますが、それにともなってさらにわからない部分、
疑問がでてきます。
増えていき、ときには減ることもありますが、ゼロにはなかなかならない。
ですから学び始めるとなかなか終わらない。そうなると膨大な時間がかかります。
人間の時間には限りあります。
結局のところ、先人から学ぶ、あるいは教えを請うのが最も効率よく、
これは古代から現在まで続く人間の営みであり、
これからもおそらくなくならないでしょう。
まず先人をなぞることから始め、
そのあと、ようやく自分の一筆を入れることができます。
なぞる行為に自分自身がかかる時間よりも先人は多くの時間を費やしています。
本の一句、言葉の一言、そのほんの短なことにどれだけの時間と経験が費やされたのかを想像してみてください。
まずなぞることから始め、
ぜひご自身の新しい一筆を入れるようになっていただきたく思います。
日本占星術協会会長 田中要一郎
スケジュール
11:45am開会式
12:00pm ブライアン・クラーク&鏡リュウジ(通訳)
01:00pm 竹内俊二
02:00pm さくらいともみ
03:00pm いけだ笑み
04:00pm 芳垣宗久
05:00pm 賢龍雅人
06:00pm 夕食休憩
07:00pm ドリアン・グリーンバウム&鏡リュウジ(通訳)
08:00pm 田中要一郎
09:00pm ヘルメス大賞
〈ヘルメス大賞は過去3年間に出版された占星術の研究書、教本、翻訳書のうち、最も優れていたと認められる書に与えられます。〉
09:30pm~ 閉会式
各講義50分。
講義と講義の間に10分間休暇。
夕食休憩は1時間。
※時差の関係でドリアン・グリーンバウムとブライアン・クラークが入れ替わりました。
1番目の登壇者はブライアン・クラークとなります。ご了承ください(2025年5月5日更新)。
Twitter公式ハッシュタグ:
#日本占星術カンファレンス

講義内容
(登壇順)

ブライアン・クラーク
生きる道としての占星術
占星術とのかかわりを深めていくと、占星術は生きる道そのものとなっていきます。占星術という認識を持つと、世界の見方、そして人生の中での出来事に対しての見方が変わってくるのです。占星術は私たちに精神的、心理的な見通しを与え、より広い、宇宙論的な視点から人生に関わることを可能にしていきます。占星術は、私たちの社会的世界と経験を広げ、人生のより深い元型的な次元を探求するよう私たちを誘い、もう一つの知のあり方、存在のありようとのつながりへと導いていくわけです。この講義では、占星術の奥深さ、そして豊かさに深く思いを巡らせその大切さを改めて感じ取ろうと思います。

竹内俊二
あなた自身を最もよく表すのは太陽か?それ以外か?
一般に、出生図の太陽星座の特徴が「自分自身」を表すものとされがちですが、本当にそうでしょうか?本研究では、ASCのサイン、チャートルーラー、第1ハウスの天体、月など、自己イメージに強く影響する複数の要素に注目し、X(旧Twitter)でのアンケートと実例をもとに検証します。出生図の中で「自分らしさ」の実感と最も一致しやすい要素は何かを探ります。

さくらいともみ
恒星占星術の基礎
おおいぬ座シリウスなど太陽系の外の星は「恒星」と呼ばれます。これら遠くにある不動の星を西洋占星術のリーディングに取り入れる技法についてお話いたします。
恒星占星術は古くて新しい技法です、考古学的な古い技法と、現代のソフトウェア技術による精密な計算がプラスされた現代的なリーディングの手段です。
ブレイディ式の恒星占星術で使う星は全部で64個です。通常の占星術では12サインを使用し、恒星自体の名前を使うことはありません。恒星占星術の技法は2世紀初頭、占星術あけぼのの時代までは存在していました。平面的なホロスコープを、出生地の場所から空を見た視覚的で立体的な状態にしたのが、恒星占星術です。

いけだ笑み
四体液質と子供
西洋占星術で重要な柱となる四つの元素。その特質は、そこから派生するすべての根幹となる明確なカラーを有します。
今回は、四つの体液質がもたらす子供の行動原理や食の好みや生活態度に基づいた分析と、その子のニーズについて。子供と関わる親や大人が配慮すべきことや、とるべき対応についてのお話しをします。
世界は組み合わせによるハーモニーからなると考えると、善悪という二元論ではなく、和音による調和と不協にすぎず、どの音が悪いという解釈ではなくなります。
ある親にとって、ある種の子供は問題児にみえるのに、別の親からみると好ましかったり、その逆もあり、だから子供には母親以外の多くの大人が関わることが良いことなのです。
体液質の計算方法や解釈は様々ですが、多くの方法に共通するのは、アセンダントと月のエレメントと月のルーラー、月にアスペクトする惑星などなどです。これらは、幼年期やその人固有の体質と関係があります。長ずるにつれ、これらの感受点の特性は影をひそめるようになり、次第に太陽やMCに向かって成長を遂げることを考えると、そこへの移行をスムーズにするための体液質のケアの重要性は言うまでもないことでしょう。

芳垣宗久
神話法と歴史法
新惑星の象徴解釈メソッドの再検証
現代の西洋占星術は、古典的な7つの可視惑星に加えて、近代に発見された土星外惑星や小惑星を取り入れた体系となっています。新惑星のホロスコープにおける機能は、主に「神話法」と「歴史法」というふたつの視点から仮説が立てられ、数十年にわたる研究を通じて定説が形成されてきました。それらのメソッドは、天文学上の惑星の定義がゆらぎ、太陽系のイメージが大きく刷新された21世紀においても、依然として有効でしょうか? 過去2世紀にわたる研究を振り返りつつ、ゼロ年代に相次いて発見されたセドナ、エリスといった特異天体の象徴性を、混迷極まる昨今の国際情勢に照らして考察していきます。

賢龍雅人
リターンチャート
リターンチャートとは、トランジットの惑星がネイタルチャートの位置に戻ってきたタイミングで作成するチャートです。その歴史は古く、年代を追う毎に様々な考え方が生まれてきました。中でも太陽の回帰を扱うソーラーリターンは占星術家にはポピュラーなテクニックで、1年毎の再誕生チャートとして捉えることも多い。またあまり知られていないが、MCや太陽、月に一定のサイクルがあります。今回は、基本から様々な考え方(リロケーション賛否)、サイクル、月やアングルへのプログレスの応用などを取り上げます。出生時間が不明な場合は正確なチャートは作れないが、昼12時で算出してソーラーチャートを作成し、アスペクト重視するという読み方もあります。

ドリアン・グリーンバウム
占星術におけるダイモーン(神霊、守護霊)
この講演では占星術における「ダイモーン」についてみてまいります。まず古代地中海世界におけるダイモーンについて検討し、当時の人々がダイモーンとは何か、当時の人々がそれをいかに理解していたかについて知っていただけると思います。ダイモーンは日本における「守護霊」にも比すことができるもので、それは西洋における一人一人につく守護天使のようなものです。またダイモーンは「神的なもの」the divineともつながっています。それは私たちがクライアントに何か真実の、そして大切なことを伝える解釈が生まれる瞬間に、私たちを導くインスピレーションや直感のきらめきでもあります。占星術ではダイモーンは太陽と結びつけられています。ここでは実践におけるダイモーンの理解についても検討してきましょう。
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田中要一郎
ディセンニアルズDecennials ~十年運~
伝統占星術には、未来を予測するためのタイムロードシステムがいくつもあり、そのタイムロードシステムには1年間を予測する方法だけではなく、数年間を予測する技法もあります。
ディセンニアルズDecennialsはヘレニズム期のタイムロードシステムのひとつで、人生を10年間(実際には10年と9カ月)ずつ区切って予測する技法ですが、他のタイムロードシステムと比べて現在のところまだあまり普及していません。理由のひとつはいくつかの文献で紹介されているものの、最初に始まる支配星の決定に諸説あり、どれが正しく機能するのかがわかりずらくなっているからかもしれません。
今回ディセンニアルズについての諸説を紹介、比較しながらどれが採用でき、どのように解釈できそうかをお話しいたします。

鏡リュウジ
ドリアン・グリーンバウム&ブライアン・クラーク
コーディネート&通訳
★
スピーカー・プロフィール
ブライアン・クラーク
占星術コンサルタントおよび教育者として、45年以上にわたって個人的に活動している(www.astrosynthesis.com.au)。その仕事は、常にシンボルの多層的な性質から情報を得ており、それは著書のひとつである『魂、シンボル、想像力』(Soul,Symbol and Imagination)の焦点でもある。 神話と古典への情熱から、古代ギリシャの神聖な聖域、特にヒーリングと占いに捧げられた聖域を巡る17のツアーを主催。ブライアンはコンサルティングと個人指導を続け、占星術やユング派の団体で講演や執筆も行っている。
竹内俊二
占星術家。独学で占星術を学び、2011年にSNSでのリクエストをきっかけに個人セッションを開始。その後口コミで広がり、2016年に独立。オリジナルキャラクター「ねこちゃんピオン」のイラストを使った発信が「親しみやすく、わかりやすい」と評判となり、SNSのフォロワーは1万人を超える。愛称は「ねこちゃん先生」。講座や勉強会では、丁寧かつロジカルな解説が特徴で、占星術初心者からプロの占い師まで幅広い支持を得ている。
さくらいともみ
西洋占星術研究家。恒星を使用した占星術の普及活動中。毎年恒星占星術のオンライン講座を開催している。2025年で7年目となる。
翻訳書:「ブレイディの恒星占星術」「ブレイディの恒星占星術の基礎」(太玄社)
https://x.com/cerisewell(ツイッター・X)
いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』『ホロスコープが読めるようになる西洋占星術』(説話社)『フレンドリータロット』(太玄社)、共著『鏡リュウジの占星術の教科書ハイテクニック編Ⅴ』(原書房)など。
芳垣宗久
占星術研究家。ホロスコープを人間の創造力を引き出す思考ツールとしてとらえ、古典から近代のテクニックまで幅広く研究。個人相談や原稿執筆のほか、セミナー・講演等も積極的に行っている。占星術スクール「ヘルメス学園」主催。著書に『女神からの愛のメッセージ 小惑星占星術』(説話社)、『超開運 ダウジングでどんどん幸せになる本!』(芸文社)、 共著に『もっと深く知りたい!
12星座占い』(説話社)がある。
Twitter https://twitter.com/astrohund
賢龍雅人
長年に渡るカルチャーセンター、占いスクールでの豊富な鑑定経験を活かした
丁寧な指導には定評があり、鏡リュウジ氏を主幹とする東京アストロロジー・
スクールでもチューターを務める。内外の占星術ソフトやアプリにも精通し、
様々な占星術書にマニュアルを寄稿。著書に『マイ・ホロスコープBOOK 本当
の自分に出会える本』(説話社) 、『マイ・ホロスコープBOOK 本当の恋愛・結婚観がわかる本』(説話社) 、『マイ・ホロスコープBOOK 本当の仕事・お金観がわかる本』(説話社)、『新ウェイト版フルデッキ78枚つき タロット占いの教科書』(新星出版社)がある。
ブログ ”No Tarot, No Life”:ameblo.jp/ken-ryuu/
ツイッター:twitter.com/masato_kenryuu
ドリアン・グリーンバウム
1992年から占星術を実践、教授。2009年にロンドンのウォーバーグ研究所で博士号を取得、現在、ウェールズ大学のソフィア・センターで大学院生を指導。著書にThe Daimon in Hellenistic Astrology : Origins and Influence(2016)、Temperament: Astrology's Forgotten Key(2005)など。学術論文も多数。国際的に講演や指導を行っている(FAA、UAC、英国AA)。2024年に英国AAからチャールズ・ハーヴェイ賞を受賞。
田中要一郎
1974年和歌山県生まれ。 早稲田大学卒。 占術研究家。翻訳家。芸人。西洋伝統占星術、インド占星術、七政四余など古典をベースとした東西の占星術を比較研究する。 日本、中国、インド、欧米の諸師に学ぶ。レイモンド・ロー公認風水師。
ディプロマ:クリス・ブレナン ヘレニスティック・アストロロジーコース、マーティン・ギャンステン マスター・オブ・プライマリーディレクションズ。
<書籍> 翻訳:ウィリアム・リリー「クリスチャン・アストロロジー 第1書&第2書、第3書」、アラン・レオ「アラン・レオの占星術 出生図判断の秘訣」、ベンジャミン・ダイクス「現代占星術家のための伝統占星術入門」、梁湘潤「子平推命 基礎大全」、 徐芹庭「風水羅盤大全」 対談集:「占術談義」(すべて太玄社刊)
共著『鏡リュウジの占星術の教科書ハイテクニック編Ⅴ』(原書房)
鏡リュウジ
占星術研究家。学生時代よりメディアで活躍、ポピュラーな占いコラムからアカデミックなものまで幅広く執筆。英国と日本を往復し、英国の占星術を日本に紹介、従来の「占い」のイメージを一新した。学会や美術館での講演に招かれ るなど学術的な活動にもその領域を広げている。とくにユング心理学に通じており、関連図書の翻訳も多数。英国占星術協会、オーストラリア占星術協会の大会などでも発表、ジャーナルに寄稿するなど国際的にも知られている。国際基督教大学修士課程修了、日本トランスパーソナル学会理事。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール主幹。主な著書に『占星術の文化誌』、監訳書に『占星術とユング心理学』『赤の書と占星術』、またユリイカ別冊「タロットの世界」責任編集など、出版物多数。